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2017/10
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いつか懺悔を恩返しに
仕事一筋だった私の唯一の息抜きが月に数回のフラメンコだった。当時は、音楽
にのって少し汗をかければ満足で、十分ストレスは解消されていた。シフト制で休
日が不規則な仕事をしている私としては、チケット制のフラメンコ教室がとても便
利だった。このまま何年もセビジャーナスを習っているだけでいいと思ってた。が、
たまたま見つけたスペインバルでその人に出会ってしまった。華やかな衣装、眩し
い照明、それらに負けないくらいの輝きを放つ女性。この人にフラメンコを習いた
い! 上手になりたい! 今まで持ったことのない感情に襲われた。毎週同じ時間
にレッスンを受けるという、私には無理なスケジュールに悩んだが、入門すること
にした。
なるべく仕事の休日をレッスン日に合うように設定してきたが、どうしても無理な
時は有給を使用。幸い、仕事ばかりしてきた私には余りあるほどの有給がたまって
いたが、問題は休暇をもらうための理由。母には何度も病気になってもらった。怪
我もしてもらった。インフルエンザにまでしてしまったことをここで懺悔したい。
まさかフラメンコ踊ってくるから仕事を休ませて下さいとも言えなくて、「ごめん
なさい、お母さん」と母に手を合わせながら、レッスンへ通っている。そしてもう
一人、母の容態を心配して下さる課長にも手を合わせずにはいられない。二人には
申し訳ないと思いつつ、フラメンコの上達がきっと恩返しになるだろうと信じて、
今日も熱心にレッスンを受けている。 

(東京都・AIRI/30歳)

AIRI 20


※パセオフラメンコ12月号掲載作品
小悪魔と呼ばれる日まで
 ア幼少の頃より一度もモテたことのなかった私。唯一男性から告白らしいことを
受けたのは、中2の時の「クラスの中で3番目に好き」これだけ。「ひどい! せ
めて2番にして!」と初恋の男の子に攻め寄った甘酸っぱい思い出。ある日私は、
このままではいけないと思った。小悪魔と呼ばれる女になりたい。一度でいい、男
を手のひらで転がしてみたい。そんな夢を抱えて叩いたのが、今のフラメンコ教室
の門だった。フラメンコはセクシーになるらしい。小悪魔になるにはピッタリじゃ
ないか。入門から3年間。一度も休まずレッスンに通った。信号待ちではお尻の穴
を引き締め、歩くときは体重移動に気を使い、伸びをする時は肩甲骨を寄せてマノ
を巻いた。その甲斐あって、私の身体はてきめんに変化した。体脂肪率は半分に減
り、しなやかな筋肉が全身についた。が、その筋肉は、長年溜め込んだ脂肪が落ち
ないよう、ガードするようについてしまったようだ。おかげ様で、ついたあだ名は
「おっかさん」。二十歳にしておっかさん? セクシーになるために始めたフラメ
ンコ。どこで間違えたのか? 男性を手のひらで転がすつもりが、先日、ほのかな
想いを寄せていた男性に「走るより転がった方が早いでしょ」と笑顔で言われた。
確かに私はフラメンコに適した立派なお尻だ。そうか、手のひらで転がすのがダメ
なら、次は尻に敷いてやろうじゃないの。まだまだ小悪魔への道のりは遠い。ただ
今3度目の正直目指して新しい恋に挑戦中。 

(神奈川県・マーシャ/21歳)

マーシャ 20


※パセオフラメンコ11月号掲載作品
男前カホン道
 陽だまりのリビングで紅茶を飲みながら、午後にはケーキを焼いたり編み物
をしたり、そんなほんわかとした笑顔が優しい、シャボン玉があたりに舞って
いるようなママの姿。そしてフラメンコを優雅に楽しむ主婦。これは「こんな
女性になりたい」と私が思い描いた夢でした。ところがです。あれやこれやで
シャボン玉ママへの道も、バイレ道もなかなか思うように進まず、やきもきし
ながらほんの出来心で手を出してしまった打楽器。目の前に開けてしまったの
は堂々たるカホン道でした。無謀にも踊り伴奏の道に足を踏み入れ、師匠はも
ちろん、フラメンコの諸先輩バイレ、ギター、カンテの方たちに温かく厳しく
見守られ、日々必死でコンパスを手に頭に身体に叩き込み、恥をさらしながら
数々のヌメロをすごい勢いで駆け抜けました。
 あれから4年、今なお錯綜を続けるも、心で奏でたいなどとクォリティアッ
プを目指す今日この頃。そういえば、昔から私がいただく誉め言葉は「男前」
でした。「シャボン玉ママ」になれるなんて、私以外の誰もが思っていなかっ
たのです。そんなことから得た教訓は「人は他人にはなれない」。でも、男前
も悪くない。ギターやカンテの方とのコミュニケーションは、もし女性的な女
性であったなら、踊りだけやっていたなら、こんなに早くには生まれなかった
と思うから。予定どおりに進んでいたら出会うはずのなかった人たちとの出会
い、関わり。私にとってかけがえのない財産です。

(東京都・田村アーニャ/44歳)

アーニャ20

※パセオフラメンコ3月号掲載作品
昼下がりの秘め事
 真夏の昼下がり。ワンコインで踊りにギター伴奏をつけてくれるという某所へ出
かけて行った。お願いしてあった今月のライブの部分の合わせをするが、自分への
課題もどんどん増えてしまう。まだ100%踊れないのもあって、ソロで踊るとア
チコチ痛いほど解る汚い足の音。自分で、汚い、揃っていないと解るのに、足が言
う事を聞いてくれない。
 そこで一旦休憩。CDを聴いたり、You Tubeを観たりしながら、あーだこーだと、
ちょいと癒されていたら、ついギターさんに愚痴ってしまった。「バイレのみなさ
んが当たり前のようにやっている一連の足を一生懸命にやらずに、なんとな?くス
ルーして来てしまったせいで、綺麗に出せない音が一杯だわ」。ところがギターさ
んったら優しく応えて下さるじゃないの。「そーいう事ってありますよねぇ。ボク
だって避けて通って来ちゃったし(笑)。でもこれから頑張ればいいですよね、年
齢じゃないですよね」。
 そうだよね!  きっと今がワタシ達のやるべき時だよね! エイエイオー! 今
回のライブで、私たちは共に苦手な部分に挑戦する。ちーっとばかし、いや、かな
り、「やるべき時」がずれているのかもしれないけど。フラメンコに恋してスタジオ
&カフェまで作ってしまった40半ばのギタリストさんの一言で、フラメンコに片思い
中の40代も終わりに近いワタシは、元気をもらい、一生懸命に頑張ろうと誓ったの
だった。二人で手を取り合って誓った、ちょっとキケンな昼下がりの出来事。

(千葉県・カルミーナ/49歳)

カルミーナ20

※パセオフラメンコ2月号掲載作品
スポットライトの魔法
 大きな発表会を終えた今、抜け殻のような脱力感と異様な高揚感の間に私はいる。
踊ったのは群舞のアレグリアスと、ソロのガロティン。アレグリアスには苦労した。
ソロよりも群舞の方が大変だと思う。だって一人で踊る分には多少間違えたって
バレないけど、群舞の中で一人違う手を上げでもしたらすぐに目立ってしまうの
だから。個性の出しすぎもよくない。協調性が大切。かといって全員が美しく揃
いすぎるのもフラメンコじゃない。理詰めで考える癖がある私は、いつもこんな
風にゴチャゴチャ考えてしまう。でもそんなのフラメンカじゃないから、とりあ
えずは動いてみなくちゃ。発表会までの時間はほとんどアレグリアスに使った。
アレグリ7に、ガロティン2。残りの1が食事と睡眠というような生活だった。
そんな無理のある苦しい生活がやっと終わったのに、ホッとしてもいられない。
問題のアレグリアスはちゃんと踊れたのかしら、間違えたところは自分が意識し
ているだけで3箇所ある。舞い上がっていた頭で気づかなかったミスは他にもた
くさんあると思う。恐ろしくてビデオチェックはできない。次に先生に会うのも
怖い。さんざん苦労してやり遂げたのに、どうしてこんな気持ちにならなくちゃ
いけないのだろうと思うのに、やめられないのがスポットライト・マジック。
やっと苦しみから開放された今、また考えるのはやっぱりフラメンコのこと。次
に教わる曲はなんだろう? フラメンコ・マジックにはまる幸せな私。

(埼玉県・みっちー/29歳)

スポットライトの魔法


※パセオフラメンコ10月号掲載作品
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